ケーススタディ

広告費を増やさずに、広告の成果を1ヶ月で4倍にしたLP改善

AI関連サービス企業のLP(広告の受け皿ページ)構築支援事例

AI関連サービス企業のLP(広告の受け皿になる紹介ページ)構築支援で、広告予算を変えずにFacebook広告の成果件数(CV)を1ヶ月で4倍に改善した事例。実績の棚卸しと競合分析から、伝える言葉の設計、業種別LPの展開、広告最適化まで、支援の進め方と成果の要因を図つきで解説します。

広告費は変えていないのに、問い合わせや申し込みが伸びない。そんな課題を抱える事業者は少なくありません。

本記事では、AI関連のSaaS(インターネット経由で利用するソフトウェアサービス)を提供する企業のLP構築支援を通じて、Facebook広告のCV数を1ヶ月で4倍に改善した事例をご紹介します。LP(ランディングページ)とは、広告をクリックした人が最初に着地する、広告の受け皿になる1枚の紹介ページのこと。CV(コンバージョン)とは、問い合わせや申し込みなど、ページの目的が達成された成果の件数を指します。LP改善を検討されている方にとって、具体的な進め方と成果のイメージをつかんでいただける内容です。

プロジェクト概要 ― AI関連SaaSのLP構築を支援

AI関連SaaSのLP構築を支援し、Facebook広告のCV数を開始1ヶ月で4倍に改善した事例です。構成策定からデザイン納品まで3ヶ月で完結しました。

本プロジェクトでは、単なるLP制作にとどまらず、サービスの競合優位性の整理、ターゲット別のLP戦略設計、広告媒体ごとの最適化までを一気通貫で支援しています。既存サービスでの成果を踏まえ、新規サービスのPoC(概念実証。本格展開の前に、小さく試して効果を確かめる取り組み)向けLP構築支援にも取り組んでいます。支援全体の流れは、次のとおりです。

実績の棚卸し・競合分析・顧客ペイン把握から、コアコンピタンス(訴求軸)の明確化、ワーディング設計・LP構成へと進み、業種特化LP4種と汎用LP1種の計5種へ展開、広告出稿・効果測定・予算最適化を経てFacebook広告のCVが4倍に改善した、という支援プロセス全体を示す図。
図:LP構築支援の全体プロセス。藍=設計工程、緑=セグメント別に展開したLP群、灰=広告運用、青=成果(CV4倍)。

大切なのは、この流れが「デザインを作る」から始まっていないことです。何を伝えるか(訴求軸)を固めてからワーディング、構成、デザイン、展開、広告へと進む。順番こそが成果を左右しました。

課題 ― サービスの強みがLPに落とし込めていなかった

既存LPではサービスの強みが十分に訴求できておらず、広告効果が伸び悩んでいました。

サービスの訴求力が不足していた

同サービスはAIを活用した先進的なサービスです。しかし既存LPでは、サービスのコアコンピタンス(核となる強み)が明確に表現できていませんでした

顧客が抱えるペイン(課題や痛み)に対して、なぜ同サービスが最適な解決策なのかが伝わりにくい構成でした。ワーディング(何を、どんな言葉で伝えるかの言葉選び)やコピーライティングも、サービスの特性を的確に言語化できておらず、競合との差別化が不十分な状態だったのです。

これは、優れたサービスほど陥りがちな状態です。作り手はサービスの機能や技術に精通しているため、つい「何ができるか」を列挙してしまう。しかし訪れた顧客が知りたいのは「自分のどの課題が、どう解決されるのか」です。機能の説明と、顧客にとっての価値は、地続きに見えて別物です。この翻訳——技術的な強みを、顧客のペインに対する解決策の言葉へ変換する作業——が抜けていると、どれだけ高機能でも「よくあるサービスの一つ」に見えてしまいます。既存LPの伸び悩みの根には、この翻訳の不足がありました。

複合的な知見を持つパートナーが必要だった

この課題を解決するには、単にデザインを整えるだけでは不十分です。クライアントが求めていたのは、AI領域の知見(技術的な強みを訴求ポイントに変換する力)、マーケティングの専門性(広告媒体の特性を踏まえたLP構成・コピーの設計力)、そしてビジネス理解(顧客のペイン・予算構造・意思決定プロセスの把握)を併せ持つ支援パートナーでした。

ビジネス面を含めたトータルなコンサルティングが必要な段階にありました。実際、LP制作会社にデザインを頼めば見た目は整い、広告代理店に頼めば配信は回りますが、その二つのあいだにある「サービスの強みを、どの顧客に、どう伝えるか」の設計は、どちらの担当領域からも抜け落ちがちです。ここを埋められるかどうかが、成果の分かれ目でした。AIサービスの技術的な中身を理解したうえで、それをマーケティングの言葉と広告の運用に翻訳する——この横断的な役割こそ、クライアントが本当に必要としていたものでした。

支援内容① ― 競合調査とコアコンピタンスの明確化

LP改善の第一歩として、サービスの現在地を正確に把握することから始めました。

既存サービスの実績を棚卸し

最初に取り組んだのは、同サービスの導入実績・活用事例を丁寧に確認する作業です。サービスが実際にどのような価値を提供しているのかを、事例ベースで整理しました。

この棚卸しによって、サービス提供者自身も気づいていなかった強みや、顧客に響いているポイントが見えてきます。実際、導入企業がなぜ選び、どこに価値を感じ、どう使って成果を出したのかを一件ずつたどると、作り手が想定していた「売り」とは別のところに、顧客が繰り返し口にする決め手が見つかることがよくあります。カタログ上の機能ではなく、現場で実際に効いている価値。ここを起点に訴求を組み直すと、コピーは一気に具体的で説得力のあるものになります。

競合サービスの調査・検証分析

棚卸しで得た情報をもとに、競合サービスの調査を実施しました。市場でのポジショニング、訴求メッセージ、LPの構成を分析し、同サービスの競合優位性を客観的に検証しています。

顧客のペインと予算構造の把握

LP改善では、サービスの機能訴求だけでなく、顧客側のビジネス文脈を理解することが欠かせません。

ターゲット顧客がどのようなペインを抱えているのか。どのような予算枠で導入を検討するのか。こうしたビジネス的な背景も含めて整理することで、「誰に」「何を」「どう伝えるか」の設計に必要な材料がそろいます。

支援内容② ― 伝える言葉の設計から業種別LPの展開まで

コアコンピタンスを軸に、ターゲットセグメント(狙う顧客層の区分)別のバーティカルLP(業種・用途に特化したLP)4種と汎用LP 1種、計5種類を構築しました。単一のLPではなく、顧客層ごとに訴求を変える戦略です。

ワーディング・コピーライティングの設計

競合調査とコアコンピタンスの整理で得られた知見をもとに、サービスの強みを言語化しました。技術的な特徴をそのまま並べるのではなく、顧客のペインに対する解決策として翻訳し、響くワーディングに落とし込んでいます

ここで意識したのは、「主語を顧客にする」ことです。「このサービスは〇〇ができます」ではなく、「〇〇という手間が、こうなくなります」。同じ機能でも、読み手が自分ごととして受け取れる言葉にすると、伝わり方は大きく変わります。専門用語を並べれば高機能に見えますが、多くの訪問者はその手前で離脱します。強みを損なわずに、誰が読んでも一読で意味が取れる平易な言葉へ——この翻訳の質が、ファーストビュー(ページを開いた瞬間に最初に見える部分)で読者が離脱するかどうかを左右しました。

LP構成の設計

ワーディングをもとに、広告媒体の特性を考慮したLP構成を設計しました。ファーストビューで何を伝えるか、どの順序で情報を配置するか、CTA(申し込みや問い合わせに進んでもらうためのボタン・誘導)をどこに設置するか。コンバージョンまでの導線を緻密に組んでいます。

とくに広告からの流入では、ファーストビューの数秒が勝負を決めます。広告のメッセージとLPの第一印象がずれていると、「思っていたものと違う」と感じた瞬間に離脱される。だからこそ、どの広告からどのLPへ着地するかまで含めて一貫させ、広告で語った約束をLPの冒頭で確かに受け止める設計にしました。読み進めるほど疑問が解消され、最後のCTAに自然にたどり着く。この「流れの気持ちよさ」を作り込むことが、構成設計の核心です。

デザイン制作

LP構成に基づき、継続的なデザインパートナーと連携してデザインを制作しました。ビジュアルの訴求力と情報設計の両立を重視しています。

バーティカルLPの横展開

サービスのコアコンピタンスをもとに、ターゲットセグメント別に4パターンのバーティカルLPを展開しました。加えて、セグメントを横断する汎用LP 1種類も作成し、合計5種類のLPを構築しています。

バーティカルLPを展開したことで、各ターゲットの課題や利用シーンに寄り添った訴求が可能になり、媒体ごとの広告出稿の精度が大幅に向上しました。

なぜ1枚のLPで全ターゲットをカバーしないのか。それは、広く当てようとするほどメッセージが抽象化し、誰の心にも深く刺さらなくなるからです。「あらゆる業種の効率化に」と書くより、「この業種の、この作業の、この手間をなくす」と書くほうが、その業種の担当者には圧倒的に響きます。バーティカルLPは、この「具体で刺す」を実現する仕組みです。同時に、広告側でも「どの層にどのLPを当てるか」を明確にできるため、配信の精度が上がり、無駄打ちが減ります。訴求の具体化と配信の最適化は、セグメント別LPという一つの設計で両立できるのです。

支援内容③ ― 新規サービスの検証(PoC)に向けたLP構築支援

既存サービスでの成果をもとに、新規サービスのPoC(概念実証)向けLP構築支援にも展開しました。

ヒアリングと要件整理

新規サービスの要件や提供価値について、丁寧なヒアリングを実施しました。サービスがまだPoC段階であるため、仮説ベースで訴求すべきポイントを整理するアプローチを取っています。

競合調査と仮説構築

関連する競合サービスの調査を行い、競合優位性の整理と仮説構築をサポートしました。PoCの段階では、LPそのものが仮説検証のツールになります。まだ確立していない訴求を、実際の反応で確かめる。「この価値提案は市場に響くのか」を、広告とLPを通じて小さく試すわけです。ここで大切なのは、検証できる形でLPを作ることでした。何を確かめたいのかを明確にし、その問いに答えが出る構成にしておく。結果が良くても悪くても、次の打ち手につながる学びが残るように設計しています。既存サービスで積み上げた「訴求軸を立てる型」があったからこそ、新規サービスでも短期間で検証可能なLPに落とし込めました。

LP骨子の策定とデザイン監修

検証が可能なLPとなるよう、要件の文書化とLP骨子(ページ全体の設計図となる骨組み)の策定を行いました。デザインの監修も実施し、検証結果を正しく評価できるクオリティを担保しています。

成果 ― Facebook広告の成果件数が4倍、予算増額と全体の効果改善へ

開始1ヶ月でFacebook広告のCV数が4倍に改善。広告予算の増額と他媒体を含むトータルの広告効果向上を実現しました。

定量成果

Facebook広告のCV数は、同予算比で開始1ヶ月で4倍に改善しました。この結果を受けてクライアントは広告予算の増額を決定。他媒体も含めたトータルの広告効果が改善しています。

納品物はバーティカルLP 4種+汎用LP 1種の計5種類で、構成策定からデザイン納品まで3ヶ月で完結しました。

同じ広告予算のまま、LPの訴求力を高めることでCV数が4倍になったという点は、広告費を増やす前にまずLPを見直すことの重要性を示しています。

この順番は、費用対効果の面でも理にかなっています。広告予算を増やせば流入は増えますが、受け皿であるLPの転換率(訪れた人のうち申し込みに至る割合)が低いままなら、増えた分の多くは取りこぼされます。一方、LPの転換率が上がれば、同じ流入からより多くの成果が生まれ、その後に予算を増やしたときの効果も跳ね上がります。実際この事例でも、CVが4倍になったことで広告予算の増額が「攻めの投資」として意味を持ち、他媒体を含めたトータルの効果改善につながりました。まず受け皿を強くし、それから流入を増やす——この順序が、広告投資の効きを最大化します。

クライアントの声

「かっこよくデザインが出来上がって嬉しいです。社内にも十分広報していきたいと思います。大幅に広告効果が改善しました。」

この事例から得られる示唆

LP改善で成果を出すには、デザインだけでなく、サービス理解・競合分析・顧客のペイン把握を含む複合的な視点が欠かせません。

デザインだけでは解決しない

LPの改善というと、ビジュアルの刷新やレイアウトの変更を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし本事例では、デザインの前段階にある「何を伝えるか」の設計が成果の鍵になりました。

コアコンピタンスの明確化、競合優位性の整理、顧客のペイン理解。これらがあって初めて、デザインが正しい訴求を伝える器として機能します。逆に言えば、伝えるべきメッセージが定まっていないままデザインだけを刷新しても、「見た目はきれいになったが成果は変わらない」という結果になりがちです。デザインは訴求を増幅する装置であって、訴求そのものを生み出すものではありません。まず「何を伝えるか」、次に「どう見せるか」。この順序を守ることが、成果につながるLPの前提条件です。

「1つのLP」から「セグメント別LP群」へ

汎用的なLP 1枚で全ターゲットをカバーしようとすると、どうしてもメッセージが抽象的になります。ターゲットセグメントごとにバーティカルLPを展開することで、各顧客の課題感に直接響く訴求が可能になります。

ビジネス理解に基づくLP設計がCVを動かす

広告効果を根本的に改善するには、サービスの機能だけでなく、顧客のビジネス文脈を理解した上でLPを設計することが欠かせません。顧客のペイン、予算感、意思決定のプロセスまで踏まえることで、コンバージョンにつながるLPが実現します。

たとえば、同じサービスでも「担当者が個人で試したい」段階と「組織として導入を決裁する」段階では、刺さる訴求はまったく違います。前者には手軽さや即効性を、後者には投資対効果や社内説明のしやすさを見せる必要がある。顧客がいまどの段階にいて、次に何を確かめたいのかを踏まえてLPを設計すると、「読んだ人が次の一歩を踏み出せる」導線になります。機能を並べるLPと、顧客の意思決定に寄り添うLP。この差が、そのままCVの差として表れます。だからこそ、LP改善はマーケティングの技術であると同時に、顧客のビジネスを理解する仕事でもあるのです。

まとめ

本事例では、AI関連SaaSのLP構築支援を通じて、Facebook広告のCV数を1ヶ月で4倍に改善しました。成果の要因は、単なるLP制作ではなく、競合調査・コアコンピタンスの明確化・ターゲット別のLP戦略設計という複合的なアプローチにあります。

LP改善は、デザインの変更だけでは本質的な成果につながりにくいものです。サービスの強みを正しく言語化し、顧客のビジネス文脈を理解した上で設計することで、広告効果は大きく変わります。

もう一つ、この事例が示すのは、LP改善が「デザイン」「コピー」「広告」「サービス理解」のどれか一つでは完結しない、という点です。技術的な強みを訴求に変える力、顧客のペインを読む力、媒体ごとに最適化する力——これらが噛み合ってはじめて、CVは動きます。逆に、どこか一つが欠けると、他がどれだけ良くても成果は頭打ちになる。複数の専門性を一つのチームで束ねて設計できるかどうかが、LP改善の成否を分けます。

私たちは、AI・テクノロジーへの知見とマーケティングの専門性を掛け合わせ、LP構築からビジネスコンサルティングまでトータルに支援しています。LP改善や広告効果の改善に本腰を入れて取り組む方は、お問い合わせページよりご相談ください。


参考・引用元

※本記事は、当社が実際に手がけたLP構築支援の実績をもとに再構成したものです。事例は特定の企業・製品を指すものではなく、成果(CV4倍等)は案件ごとに異なり、同じ結果を保証するものではありません。

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